ことりのエコ生活

森の手入れ

森の手入れについて

森林には、たくさんの機能があります。
まず、木は二酸化炭素を吸収し貯蔵しながら成長するため、地球温暖化の防止に役立ちます。
また、大気の浄化、土壌の流出や水害の防止、野生生物の保護、水源涵養、木材の供給なども、森林の大切な機能です。

森林には、人の手が加えられていない天然の森と、人の手によって植えられた人工の森とがあります。
このうち、人の手によってできた森は、継続的に手入れをしていく必要があります。
手入れがなされず放置された人工林では、木がちゃんと育たず、森が荒廃してしまうのです。 そして、太くなれなかった木が台風などの強風で倒れたり、土壌が流出するなどの被害も出てきます。
もともと人工林は、人が木を植え、育て、伐採して木材を利用し、また木を植えるという何十年もかけてのサイクルで再生されてきました。 しかし、全国で放置された人工林が増えてきたことの背景には、木材が利用されなくなってきたということがあります。
建築などにも使えるいい木材として育てるためには、何十年もかけて間伐を何度も繰り返して育てていかなくてはなりません。 間伐というのは、木の成長を促すために、周囲の木を間引くための伐採です。 そうして間伐が繰り返され、最終的に立派な木材として育てられて残った木は、はじめに植えた木の1割程度であるとも言われています。 残りの9割の木は、途中で何らかの形で切らなくてはならず、間伐材として利用されます。 しかし、そのように何十年もかけて育てた木材が、その年月と作業の労苦に見合わない値段でしか売れないということ、また、 、間伐材も代替資材の開発などによって需要がなくなり、間伐を行なうための出費を考えると採算がとれないということから、 日本の林業がやっていけず、森が放置されているという事情があるようです。

日本の森を豊かにし、林業を守るためには、適切に管理されて生産された木材を利用することが大切です。 何らかの製品を購入する時には、こうした日本の森林の事情もちょっと考慮に入れて、選んでみましょう。
また、日本にたくさん存在する放置された人工林を再生するためのボランティア活動が各地で行なわれています。こうした活動に参加してみるのもよいですね☆


森林ボランティア体験(除間伐、枝打ち)に参加してきました

2007年11月11日、森林ボランティア体験会「カラマツ林育樹祭」に参加してきました。場所は白老町にある「トラストの森」です。
「トラストの森」は、もともとは、約40年前に植えられ、その後放置されていたカラマツ林でした。このカラマツ林を、ウヨロ川周辺の自然環境保全の拠点として、2001年に有志が資金を出して取得し、森の手入れ作業を進めてきました。2004年からはNPO法人ウヨロ環境トラストとして活動を続けており、今回の企画もNPO法人ウヨロ環境トラストによるものでした。

この日の予定は、午前中が除間伐・枝打ち体験で、作業終了後に昼食、午後はウヨロ川のフットパスを散策して鮭の溯上を観察する、というものでした。

「トラストの森」には、「ウヨロ小屋」という小屋がありました。作業を行なった日は、冷たい雨の降るすごく寒い日でしたが、中は薪で炊いているストーブがあって暖かく、真冬でも寝泊りできるのだそうです。小屋の柱、壁、テラスの材料は、「トラストの森」の手入れで伐った間伐材が使用されています。小屋の近くには、間伐材を利用して作られた大きな東屋もあり、作業終了後はそこでジンギスカンや炭火焼をして昼食をいただきました。燃料も間伐材を利用しているようで、薪がたくさん積んでありました。

また、おもしろいことに、小屋の近くでしいたけを栽培していました。 間伐材をこんなふうにいろいろと有効活用しているのですね。
このしいたけは、昼食の時に焼いて、おいしくいただきました☆

作業は、まず「枝打ち」を教わりました。なぜこの寒い時期にわざわざ行なうのかというと、木を切ったり枝を落としたりするのには適切な時期があって、寒くなり葉が枯れて落ちてしまってから行なわないと、木が病気になったり腐ったりする原因になるのだそうです。

作業を行なった場所は、まだ手入れされていないので、細くてヒョロヒョロとした木や、比較的まっすぐに育っている木などいろいろありましたが、その中からわりと立派に育っている木を「残す木」として選び、その残す木の枝を落としていきます。低いところにある枝はのこぎりのような刃物で切り、高いところの枝は柄の長い刃物(これがけっこう重い!)で落とします。扱ったことのない道具でしたが、やっているうちにだんだんおもしろくなりました。枝に合わせて垂直の位置に立つなど、いろいろとコツも教わりました。

枝打ちをする時は、写真のように幹のギリギリのところで枝を落とすようにします。幹からほんの数センチでも枝を残した状態で枝を落としてしまうと、切り口の傷がかくれるまでに年月がかかるため、なるべく幹のギリギリのところで枝を落とした方が早く傷口がふさがってよいのだそうです。

残す木の枝打ちが終わったら、その周りの切ることにした木をチェーンソーで切り倒します。これは危険で経験も必要な作業なので、参加者は、ウヨロ環境トラストの方が切り倒しているところを見学しました。そして、木を切り倒した後、希望者は、チェーンソーを使って、切り倒した木を輪切りにするという体験を行ないました。

ところで、「人の手によって植林された森は手入れが必要だ」と言われていますが、実際に見て納得です。「トラストの森」には、ボランティアによって手入れされた場所とまだ手入れされていない場所とがありましたが、そうして比べてみると、放置されて荒れてしまった人工の森というものがどういう状態になっているのか、よくわかりました。

この写真はまだ手入れがされていない場所です。木はヒョロヒョロと細かったり、倒れて別の木にもたれかかっていたりしています。もう植えられてから何十年もたつのに、立派な木材として使用できるほどちゃんと育つことができていませんし、強風で倒れてしまうというのもわかる感じがしました。

こちらはすでに手入れ作業が行なわれた場所です。こちらの木は、荒れている場所の木と比べると、まっすぐでしっかりとした感じです。 こちらの木は、今後育っていくための環境が整えられているので、将来的には太く大きくなりそうな感じがしました。

今回は森林ボランティア体験会ということもあって、私たちが作業を行なったのは、森のほんのほんの一部分だけでしたが、 枝打ち作業を覚えたので、またボランティアでお手伝いに来たいと思いました。

昼食では、ジンギスカンや炭火で焼いたお魚やしいたけをいただきました。外でこうやって食べるごはんは、ほんとにおいしいですね♪

午後はフットパスを散策して鮭をみました。雨が激しくなったので、鮭のいる場所の近くまでバスで行き、ちょっと歩いて鮭をみて帰ってきましたけど、ほんとは森を抜けて散策する予定だったらしいです。なかなか良いところだったので、お天気の良い時にまた来てみたいですね。
鮭はすごく間近で観察でき、なかなか新鮮でした。ちゃんと生まれた場所がわかるなんて、不思議な生き物ですね。
ところで、鮭は捕まえたら犯罪になるのだそうです。たくさんいるからといって、持ち帰って家で食べたら密漁になります。でも、実際に密漁があるようで、被害にあった鮭の残骸も落ちていました。鮭の体は長旅でぼろぼろになっていて価値がなく、密漁者が狙っているのは、卵なのだそうです。卵だけとって、その残骸が無残にも捨てられてしまっているのですって…。
今回は、木のこと、森のこと、鮭のことなど、実際に作業したり目にしたりしてわかったこともいろいろあり、収穫の多い体験でした。森の中で体を動かすのも楽しかったし、あのような場所でいただくごはんもおいしかったし、またこういう機会があれば参加したいです☆


NPO法人ウヨロ環境トラスト

NPO法人ウヨロ環境トラストは、ウヨロ川流域の自然環境を保全することを目的とし、ナショナルトラスト活動、環境ボランティア活動、環境学習活動などを実践しています。将来的には、人工林を自然に近い森にしていくという構想もあるそうです。

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