ことりのエコ生活

土地本来の木を植える

潜在自然植生

潜在自然植生とは、1956年にドイツのラインホルト・チュクセン教授が発表した植生概念で、人間の影響をすべて停止した時、その土地の自然環境の総和がどのような自然植生を支える能力を持っているかという考え方です。
宮脇昭・横浜国立大名誉教授は、この潜在自然植生の概念に基づき、数十年にわたり国内・海外合わせて1500箇所以上で森づくりを実践しています。


宮脇方式の植樹

宮脇昭先生が常に強調していることは、「土地本来の木を植える」ということです。
土地本来の森は、台風や洪水や火災などの災害に強く、また、人間が手を入れないと荒れてしまう人工林とは異なり、人間が手入れをしなくても維持されると言います。しかしながら、宮脇先生によると、日本の常緑広葉樹を主とする照葉樹林帯では土地本来の森はわずか0.06%しかありません。また、その土地本来の潜在植生は各地の「鎮守の森」に残されていると言います。

宮脇方式の森づくりでは、そうしたその土地本来の植生を調査し、調査の結果に基づいた樹種を植えます。 植え方としては、まず、選定した木のドングリなどを拾って、ポット苗を作ります。 そして、根が充満した苗木を、1平方メートルに3本の割合で植えます。その際に、同じ樹種を偏らせて植えるのではなく、異なった樹種を隣り合わせになるように「混植・密植」します。
宮脇方式による植樹は、国内においては、1970年に新日鉄からの依頼によって調査を開始し大分製鉄所の敷地に木を植えたのがはじまりで、その後、全国各地の企業、自治体などで実施されています。海外でもアマゾンの熱帯雨林やボルネオ、ケニア、マレーシア、万里の長城などで行なわれています。
宮脇方式では、ポット苗作りや植樹が、職員や市民によって、つまり業者などに発注せずに一般の人の手によって行なわれるということも特徴です。お近くで、宮脇方式の植樹祭やポット苗作りのボランティアを募集していたら、ぜひ参加してみましょう。


宮脇方式の植樹祭に参加してきました

2007年9月12日、毎日新聞社(My Mai Treeキャンペーン)・札幌市主催の「さっぽろふるさとの森づくり植樹祭」に参加してきました。

開会式では宮脇先生がテレビでみたとおりの麦わら帽子姿で登場し、 環境問題に関わるお話(地中の炭素を引っぱり出して燃やしていることが問題になっているので、木をたくさん植えて固定しましょうという炭素の循環に関するお話でした)、ホンモノの木を植えることについての説明(北海道でも何年か前の台風で駄目になったのはポプラやマツなどの土地本来の木ではない木だったので、土地本来の災害に強い木を植えましょうというお話でした)をされたあと、今回植える木の種類や木の植え方の指導をされていました。

作業は、区画されたブロックごとに分かれて行ないました。選定された16種類の苗木1万本を植えていきます。苗木はすでにポット苗になって準備できていましたので、この日の作業は、まず、ポット苗の入ったトレイを水にくぐらせ、土にポット苗の約1.5倍(直径・深さとも20cm程度)の穴を掘り、苗をポットからはずして植えていきます。苗はあまりきちんと整然と並べないようにし、また苗どうしを適度に競争させるために、あまり間隔をあけすぎず、50〜60センチくらい離して植えます。また、根に土をかけるときは、あまり固くかぶせないようにしてやさしくおさえます。

植えたら、苗を隠さないように気をつけながら、土の上をたくさんのわらで覆い、わらがとばないようにロープをはります。わらには、腐って苗木の養分になる、雑草の生育を防止する、乾燥を防止する、という役割があるそうです。
これで作業は終わりです。

作業終了後、固い土だった土手が、わらで覆われています。場所は、札幌市手稲区の山口緑地というところで、ゴミ処理場の跡地です。手稲山と日本海が見渡せるこの場所にパークゴルフ場や公園を設け、住民が自然と交わる空間を創っていく予定になっているそうです。

この植樹祭は、2006年にも行なわれ、今年は2回目なのだそうです。2006年に植えた苗木が、少し大きくなっていました。
固い土だらけだったこの場所が、何年か後には豊かな森になると思うと、楽しみですね。

札幌で行なわれた植樹祭で植えられた16種類の樹種は次の木です。

アオダモ、アカシデ、エゾイタヤカエデ、オオヤマザクラ、カツラ、カシワ、コナラ、
キタコブシ、ハウチワカエデ、ナツツバキ、ホオノキ、ボダイジュ、ナナカマド、ミズナラ、
ヤチダモ、クリ

この地域の潜在自然植生に基づいて選ばれた木ですので、 札幌近辺で、これからお庭に木を植える方は、ぜひこちらの木を植えてみましょう!


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